整形外科
膝前十字靭帯損傷に対する鏡視下靭帯再建術
【再建靭帯 術直後】
【1年後】
スポーツ等による膝前十字靭帯損傷は、スポーツのパフォーマンスを低下させるだけでなく、日常生活動作にも障害を来たすことが少なくありません。
当科では膝前十字靭帯損傷に対し膝屈筋腱を用いた鏡視下靭帯再建術を施行しています。
膝屈筋腱を用いることで十字靱帯損傷に必要な伸展筋力を落とすことなく機能再建を図ることができます。
手術は関節鏡を用いた鏡視下で行われるため術創も5cm程度のものが一つと、1cm程度のものが3つできるだけで、術後の疼痛も少なく、負担の非常に少ない方法を取っています。
術後2日目より専用の装具(サポーター)を着けてリハビリを開始します。
入院期間は約2~3週間通常スポーツ復帰は6ヵ月後です。
靭帯再建術後のスポーツ復帰には筋力の回復が重要です。身近な病院で手術を受け、リハビリ通院をしながら適切な指導の元に訓練を継続することで、より早期のスポーツ復帰が可能となります。
スポーツインソール
スポーツ選手やスポーツをしている学生には、足のアライメント異常や扁平足が原因で足や膝の障害(疼痛)を来たし、パフォーマンスが低下している場合が少なくありません。
スポーツインソールは使用中のスポーツシューズの中敷に、足の異常を矯正する役割をさせるものです。
専門医が診察した上で選手一人一人の足の形に合わせて型を取り適切な矯正を行いますので違和感がありません。
ほとんどのスポーツシューズに作製が可能です。
適切なインソールを用いることで扁平足や足底筋膜炎による足部の疼痛の軽減、外反拇趾による母趾の疼痛の軽減、シンスプリント(過労性骨膜炎 脛の痛み)の予防、膝の障害の予防などの効果が期待できます。
最小侵襲人工股関節置換術(MIS)
【術前】
【術後】
最小侵襲人工股関節置換術はMISとも呼ばれる最先端手術の一つです。
きわめて小さな切開創、筋肉や靭帯に対する最小のダメージで手術を行うことによって術後疼痛の軽減、早期リハビリ、早期社会復帰を可能にするものです。
人工股関節の手術は従来15cm~20cmの切開で行われていましたが、この手術方法では6cm~8cmの切開で行う事ができます。
それに伴い筋肉や靭帯の切開も最小となり組織へのダメージもきわめて少なくなります。
術後は数日で歩行訓練を開始。
術後4週間で退院となります。
当院では回復期リハビリ病棟を併設しているため、回復が長引く場合や、長めのリハビリを希望される場合も病院を移ることなく同じ主治医の下でリハビリを続けることができます。
当科では平成18年よりこの手術方法を取り入れ人工股関節は年間約25~30例、人工骨頭置換術は年間約40例行っています。
参考ページ Zimmer 人工関節.com (股関節)
人工膝関節置換術
【術前】
【術後】
関節の軟骨が加齢とともに変形し膝の痛みが出現する変形性膝関節症や、関節リウマチによる関節症に手術を行っております。
この手術の最大のメリットは、著明な鎮痛効果が得られることです。
最近では86歳の方も手術を受けられました。
術前に自分の血を採っておき、術後輸血する自己血輸血を行うことで輸血の際のリスク軽減を図っています。
術後は数日で歩行訓練を開始、3~4週で退院となります。
長年、関節注射を続けていても痛みの改善が無い方、骨の変形が強くて治療は無理だと諦めていた方は一度外来でご相談下さい。
参考ページ Zimmer 人工関節.com (膝関節)
頚椎椎弓形成術
【術前】
【術後】
首の骨(頚椎)の中に走る神経(脊髄:せきずい)が圧迫されると、腕にしびれ・痛みが出現したり、膝がガクガクして階段が降りにくくなったり歩きにくくなったりします。
特に後者の症状を痙性といい、放置すると悪化していく可能性が高く膀胱直腸障害も併発してきます。
こうした病状の進行を防ぐために、頚椎椎弓形成術を行い脊髄への圧迫を取り除きます。
手術は、脊髄を囲んでいる骨を開き人工骨を留置することで脊髄があるスペースを広く保ちます。
術後は数日で歩行訓練開始、3~4週で退院となります。
その他、特に首や腰といった脊椎の手術に関しては、高山でもより高度な手術が受けられるよう、必要であれば岐阜大学整形外科との連携のもと治療を行っております。