高山赤十字病院からのお知らせ

バングラデシュ南部避難民救援事業より医師が帰還しました

ミャンマーにおける継続的な情勢不安により、バングラデシュへ避難する人々の数は今もなお増加しており、その数は68万8千人に上ります(1月27日国連発表)。

日本赤十字社では、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の要請に基づき、9月16日にバングラデシュ南部へ先遣隊を派遣以降、地元の赤十字社と協働で仮設診療所での活動に加え、巡回診療やこころのケアを継続しています。

今回約1ヵ月の派遣を終えた白子医師の出迎式を1月26日に病院にて行い、集まった職員や患者さんを前に活動報告を行いました。

白子医師の報告

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キャンプ地の様子                 雨でぬかるむキャンプ地

活動はバングラデシュ第2の都市チッタゴンの南、世界最長の天然の砂浜を持つ海岸線(約125km)で有名なコックスバザール周辺で行っていました。

現地での主な活動は仮設診療所での診療、巡回診療、現地医師の指導、こころのケアなどがあり、避難住民の家と同じように竹で建てられた仮設診療所で、日本赤十字社だけではなく、バングラデシュ赤新月社の医師や看護師、更に難民によるボランティアも含め総勢約40人のグループで一緒に働いていました。仮設診療所で1日約150人を診察し、巡回診療では1日約100人を診ていました。症状としては、感染症や子供の上気道炎、下痢が多く、更には日本にはないジフテリアやはしかの感染者もおり、特に計画的な予防接種がなされていないため20歳以上のはしかも多く、中には銃弾等の外傷もありました。

 

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工夫して作られた手洗い場             竹で作られた仮設診療所

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巡回診療のため竹で作られた橋を渡る        診察をする白子医師

今までの派遣との大きな違いは、対象者が難民であるということです。災害による被災者であれば、もともとそこに住んでいるのでその生活の復興支援をすることになります。もとの生活基盤がそこにあります。シリアもそうでしたが、今回のバングラデシュでも、難民支援は従来の災害支援とは異なり、『外国(支援を受ける人にとっての異国の地)』で『外国人(避難先の国に居住していない人)』を支援するという形です。支援を受ける人たちには目の前の不安しかなく、仕事もないことから、現地では精神的なものに起因する病気も多く、子供たちに遊びを教えたり、大人たちには気持ちを吐き出させる場を設けることも必要とされました。診療所でただ待つのではなく、地域コミュニティに入って、ボランティアを指導したり衛生指導したりと幅広く活動を行うことが必要とされました。

 


今後雨季になると、更なる感染症の拡大が懸念されます。

先が見えない避難生活が続く人々のニーズに応えるため、日本赤十字社は今後も支援を続けていきます。

 


ぜひ皆様の温かいご支援をお願いします。

日本赤十字社活動実績『バングラデシュ南部避難民支援』

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